平成15年9月23日
今年のリーグ戦を振り返って
 
 今年の関西大学対抗テニスリーグ戦は、1部リーグを除いて8月中下旬から9月にかけ
て一斉に行われた。
 
  過去10年以上に亘って採用されてきたスライド方式、つまり春から秋にかけて5部リー
グから1部リーグが順繰りに開催され各リーグの首位校が昇格し最下位校が降格して行く
方式、がスケジュールの関係等から難しくなり今年からまた昔のリーグ戦の方式に戻った
のである。
 
 今年のリーグ戦における神戸大学の戦績は以下の通り、男子は3部リーグで全勝優勝、
女子も5部リーグで全勝し、それぞれ2部リーグ最下位チームとの入替え戦および5部リー
グ決勝トーナメントへ駒を進めた。(5部の場合、約40校を8グループに分けてリーグ戦が
行われるが、さらにそれぞれの首位8校によって決勝トーナメントが行われ4部との入替え
戦を行う上位2校を決定する。)
 
(男子:3部リーグ)
8.18 神戸大学 5−1 大阪市立大学
(複 3−0、単 2−1 残り試合途中打ち切り)
8.20 神戸大学 6−3 大阪教育大学
(複 2−1、単 4−2)
8.22 神戸大学 5−3 天理大学
(複 1−2、単 4−1 残り試合途中打ち切り)
8.24 神戸大学 6−3 関西大学
(複 2−1、単 4−2)
8.27 神戸大学 7−1 大阪産業大学
(複 2−1、単 5−0 残り試合途中打ち切り)
(男子:入替え戦)
9.14 神戸大学 3−6 関西外国語大学
(複 1−2、単 2−4)
(女子:5部リーグ)
8.15 神戸大学 不戦勝 プール学院大学
8.19 神戸大学 3−2 京都府立大学
(複 1−1、単2−1)
8.20 神戸大学 4−1 帝塚山大学
(複 2−0、単 2−1)
8.21 神戸大学 3−2 大阪外国語大学
(複 2−0、単 1−2)
8.22 神戸大学 5−0 大阪樟蔭女子大学
(女子:5部決勝トーナメント 1回戦)
8.25 神戸大学 0−5 和歌山大学
(複 0−2、単 0−3)
 
 上記リーグ戦の総括的な感想を述べるに先立ち、このリーグ戦に臨んだ現役テニス部
のメンバーを下記に掲げておきたい。
 
(男子部) 4年: *伊藤(主将)、*中村(主務)、中島(会計)、谷上
3年: *寺井(次期主将)、*田中(次期主務)、小見山、末光、中谷
2年: *上田、大西、*沢村、*杉、西村
1年: 北村、後藤、中谷、中寺、吉井
(女子部) 4年: *佐藤絵里(主将)、*佐藤尚美(主務)
3年: *三上(次期主将)、*安村(次期主務)
2年: 秋田、中辻、西村
1年: 川本、坂尻、鍋谷
(注 *印は今年のリーグ戦出場メンバー)
 
 リーグ戦(主として男子)を見ての感想の第一は、まず今の現役が持っている力を十分
に発揮したのではないかということである。リーグの1部から3部に属する大学の中で、今
やセレクションで選手をとっていない学校は五指に満たないと思われるし、またリーグ戦へ
の参加校も今年は男子の部で61校、女子の部で65校と年々ふえて来ている。今は3部リ
ーグといってもレベルが揃っていてそこで勝ち抜くのはなかなか大変になっている。その中
で接戦をものにして全勝で優勝したことは評価できる。
 またチームのまとまりも良かった。プレーヤーのみならず応援や球拾い審判にまわった
選手諸君も含めて、皆心を合わせ2部昇格という目標を目指してがんばってきたと思う。
その意味では部活をまとめた男子の部の伊藤、中村、中島、谷上の諸君それに女子の
部の両佐藤さんは立派にリーダーシップを発揮されたと思う。
 第三に、学校によってコートのサーフエスや環境が違うのでホームでの試合が断然有利
になるということがあったと思う。神戸大学の場合、難敵の天理大学戦、関西大学戦がホ
ームになったのは幸運であったが、最後の入替え戦がアウエイになったのは上手くなかっ
た。1部リーグではこの不公平の問題をなくすため数日間マリーンパーク北村を借り切って
リーグ戦をやっているが、2部リーグ以下では経費面やコートの手当てに問題があってそう
は行かない。その意味では、100周年記念行事として神戸大学に2面のオムニコートが出
来るとすれば現役の選手にとって大きなメリットになるだろう。
 
 第四に、上記第一の感想に関連するが神戸大学の選手は一戦ごとに勝負強さを身につ
け、大切なポイントのゲームを競り勝つことが多かった。相手校の選手は神戸大学の選
手は粘っこくていやだとの印象を持ったのではないか。神戸大学のテニスの特長とか伝統
はこのようにして実戦の場で作られ継承されていくのだと思う。
 
 第五に、創部100周年を再来年に控えていることもあって、現役の活躍に対するOBの
関心が高まり、このことが現役を鼓舞すると同時に現役とOBの間の距離を縮めつつある
と思った。現に、このリーグ戦の間も渡邊会長を始め、佐野、菅井、善野、朝倉、多久、曽
根、石田、小形、徳田、米川、肥後、佐々木、阿部、松中などの面々が入れ替わり応援に
出かけられた。
 
 最後に、今回のリーグ戦においては反省すべき点や課題もいくつか残したと思う。その
最たるものは応援とプレーのあり方だったと思う。近年学生テニスにおける応援の行きす
ぎとかマナーの悪さは良識ある人によって憂慮されて来たことであるが、特にリーグ戦に
おいては相手校の応援に対し意識的にコードバイオレイションによる罰則を取って、相手
校のコーチや応援団を退場させ自校の選手の戦いを有利にしようとする動きまであると言
う。神戸大学も今回入替え戦の対関西外国語大学戦でそのような動きに巻き込まれ、罰
則を取り合った結果試合途中に双方のベンチコーチならびに応援団が全員居なくなると
いう異常な事態になった。現役の諸君は十分反省されていることと思うが、テニスはそん
な姑息な手段で本当に勝てるものではないし、なによりも学生スポーツの本分から考える
時、そのようなことに余分なエネルギーを費やすのは本道を踏み外したことと言わざるを
得ない。
 
 それと試合に対する準備をおろそかにしていると思うことが多かった。炎天下で自分の
試合の直前まで声をからして応援しているケースが良く見られたが、これでは自分の試合
が始まった時にそこに全力投球できるはずがない。チームのためにも自分の試合に対す
る心身の準備は各自の責任できっちり十分に行うべきだと思う。
 以上、今年のリーグ戦に対する総括的な感想を述べてきたが、今の神戸大学のチーム
は若く今年の主力選手のほとんどは来年も残っている。来年は個人戦においてもリーグ
戦においても今年以上の戦績を残してくれるのではないかと期待している次第である。
以上。
(35年卒 市山 哲)