ねんりんピックに出場して



海部康人(S35卒))


ねんりんピックとは高齢者の健康、福祉増進のために厚生労働省が主催して行われるスポーツ、文化の

総合大会で、27回目の2014年は栃木県で開催され、私は川崎市のテニスチームの一員として参加して

来ました。

競技はテニス、サッカー、水泳、囲碁、将棋など24種目があり、総合開会式には常陸宮御夫妻ご臨席の

もと選手、役員約1万人が入場行進を行い、最後の聖火点灯は栃木県出身のガッツ石松父娘が行い

ました。

その後は日光東照宮の流鏑馬、郷土芸能、マスゲームなどのアトラクションで華やかな開会式は盛り

上がりました。

テニスは72の全都道府県と政令指定都市が男子60歳W、男子70歳W、女子60歳Wでチームを組む

団体戦で争われました。

初日は4チームづつ18ブロックに分かれて予選リーグを行い、2日目は各ブロックの1位、2位、3位、

4位でそれぞれ決勝トーナメントを行うという方式で、全て4ゲーム先取 (3:3の場合はタイブレ)です。

今年のテニス会場は栃木市でしたが四百数十名が集ったこのビッグな大会の委員長として総指揮を

取ったのは県テニス協会委員長の井村孝一さん(KUTC会員、S43年卒)でした。

ご存知の方も多いと思いますが井村さんは2012年12月に脳梗塞で倒れて以来毎朝5時から3時間

かけて懸命にリハビリに努めておられ、回復に向けての並々ならぬ努力の様子を直にお聞きすると

本当に頭の下がる思いがしました。

まだ手足は若干不自由な様子ですが、ねんりんピックという大きな大会のトップの責任者として大会の

準備と実際の運営に当たられた実行力と精神力には感嘆させられました。

これも学生時代に心身ともにテニス部で鍛えられたことが礎になっているものと推察されます。

私も同じKUTCのメンバーが重責を担って活躍している様子を目の当たりにして誇らしく思いました。

大会は10月5日(日)に予選リーグ、6日(月)に決勝トーナメントが行われる予定でしたが、6日(日)は

台風襲来間違いなしとの予報のため、4ゲーム先取でなく最初からタイブレという 超短縮ルールに

変更して、5日に予選、決勝ともやってしまうことが前日に発表されました。

新しく出来たコートにつき水はけは非常に良いので台風はともかくとしても、少々の雨であればプレーは

出来るとの大会本部の説明でしたが朝からの雨は段々強くなり一部のコートには水が溜まって試合を

中断してブラシで水を履き出す状態で、予選はなんとかやり終えたところで決勝トーナメントは中止と

なりました。

短縮ルールにして予選、決勝を1日でやってしまうという決定や決勝を中止するという決定にあたっては

大会委員長である井村さんを中心とする大会役員は次々と苦渋の決断を迫られたことと思いますが、

特に大きな混乱もなく大会は終了しました。

私が参加した川崎市チームは予選J組を1位で通過しただけに決勝トーナメントが出来なかったのは

残念でしたが、ここ数年川崎市は成績不振が続いていた中で予選1位はよくやったと川崎市テニス協会

幹部に褒めてもらったのはせめてもの慰めでした。

ねんりんピックは私のような草テニスレベルのプレーヤーが出場の可能性のある唯一の全国規模の

大会ですので、この大会への出場は大きな励みになっており、今回が5回目の出場 でした。

ただ規定により全国大会出場者は翌年の出場は認められませんので、再来年の川崎市予選に勝って

また全国大会出場権を得られるよう気力と体力と実力を保ち続けたいと思っています。