王座獲得60周年の集いー閉会挨拶


本日はこのように大勢の会員の皆様がお集まり下さり有難うございました。

この集いに60年前の王座獲得時のメンバーの皆様も多数参加されていますが、

拝見しますと皆様矍鑠とされているのには感心させられます。
またここには学生諸君もほぼ全員出席していますが、降格も危惧された今年のリーグ戦で

何とか踏みとどまってくれました。良く頑張ったと思います。この記念の年を起点に

これからは上昇気運に転じてほしいと願っています。

先ほどから王座獲得のメンバーの方々のスピーチを興味深くお伺いしましたが、お話を

聞きながら、私なりに、当時の神戸大学が、コーチもなく自分のテニスコートもなく、

ボールすら不足していた環境の中で、なぜ王座獲得まで行けたのかを考えていました。



. まず素晴らしい選手が揃っていたことがありますが、私はこの方々のテニスを

ほとんど拝見していますが、皆さん実に個性的です。これはそれぞれ自分の特徴を考え

試合に勝つための自分のテニスを追及された結果だと思います。

このことは自分のテニスを進化させるために本当に大事なことと思いますので、学生の

皆さんもよく考えてほしいと思います。特に一発勝負の団体戦ではその効力を発揮する

ことと思います。


. 次に選手の活躍をサポートする体制が素晴らしかったということがあると思います。

マネージャーや学連担当の機能が最大限に機能し、また田中薫先生というテニス界で広く

活躍された方が部長であった事やOBの応援も大きかったのではないでしょうか。


. そして第3に、選手間並びに選手をサポート体制の間の団結が強かったことが

あると思います。この団結はいわゆる仲良しクラブから生まれるものではなく、激しい

練習や緊張感の中から出てくる信頼感や友情に基づくものだと思います。

そこがサークル活動との大きな差であると考えます。


以上、三つのことを考えましたが、突き詰めて考えるとやはり快挙の最大の要因は選手の

皆さんの学校を代表するという強い自覚にあったのではないかと思った次第であります。

近年は小学校の時からテニススクールに通うようになりジュニアのレベルも高くなって

いますが、そのようなジュニアが推薦入学で多くの大学に行きますので、今は神戸大学が

王座を目標にするのはなかなか難しい時代になっています。しかし目標を掲げその達成に

向全員が力を合わせ努力するプロセスの中に、王座獲得の先輩が先程から話されている

価値ある多くのものが見つかるのではないでしょうか。今日の会合で先輩方から聞いた

お話の中でなるほどと思うものは是非実践の場で後輩にも伝えて行ってほしい。

それが伝統というものであると思います。今年から山口先生という素晴らしい部長を

迎えました。

今後の現役の皆さんの活躍を期待しまして閉会のご挨拶とします。  


以上