神戸大学庭球倶楽部(KUTC)新年会


大寒が過ぎ、ようやく厳しい寒さが訪れる中、1月24日(土)神戸大学六甲台アカデミア館
にてKUTCの新年会が開催された。

今年も昨年に勝るとも劣らず盛会でかつ華やいだ雰囲気が漂っていた。それもその筈で
今回は2005年に迎える創部100周年を前にして、土台を固め準備を進めることを全員で
確認しあうことが目的であったが、それに加えて、昨年10月の全日本ベテランテニス大会
65歳以上ダブルスで優勝された南後さん(昭37)を祝う会でもあったからである。古希を過
ぎて益々元気なグランドシニアから、今一番油が乗り ばりばりの中堅まで39名が出席し
た。東京から南後さん、藤本さん(昭37)名古屋から片岡さん(昭35)が駆けつけてこられ、
女性会員 福田瑛子さん(昭34)、神野さん(S42)、福田あつ子さん(S43)には花を添えてい
ただいた。

定刻5時30分開宴。冒頭渡邊会長(昭28)から、100周年記念事業に向けての決意、募金
が目標額1500万円を達成した報告、OB・現役の活躍ぶりなどバラエティに富む挨拶があ
り、引き続き会長の発声で乾杯、祝宴が始まった。しばし会食の後第一線を退いて少し余
裕が出てきた梅本さん(昭39)の軽妙な司会で宴は進む。


皮切りは善野副会長(昭32)。南後さんの優勝を称えるスピーチ「毎年南後さんのプレーを
見てきたが今年は完成の域に近いダブルスで見事であった」の後 同副会長より南後氏
にKUTCより記念品が贈呈された。続いて南後さん優勝の弁「優勝なんて思いもしなかっ
たが、実現出来てとても嬉しい。諸先輩のように華やかな実績のない者でも、テニスを愛
し、こつこつと努力を重ねてきたことが報われたのだと思う。それにしても名古屋東山コー
トで、諸先輩がコートサイドに並ぶ中、試合が出来たことは大変光栄で、なんと心強かった
か。神戸大学庭球部に籍を置き今KUTCの一員であることを本当に誇りに思う」と謙虚に
語られた。

さらにお祝いの言葉は続く。この数年来、全日本ベテラン大会の時期には会場に日参し
て、KUTC会員の活躍ぶりを生々しく伝えてこられる片岡さんの祝辞
「46年前のドラ君(南後さんの愛称)はまさしくドラフト外。バックハンドとスマッシュに多少き
らりと光るものはあったが、まさかこれほどの大物になろうとは、当時を知るものには想像
も出来ないことです。何よりもテニスを愛する気持、謙虚さに神様がご褒美を下さったので
しょう。決して華麗なテニスではなく、むしろどん臭いかもしれない。打たれても跳ね返す、
跳ね返されても打ち返す。何でだろうと相手が首を傾ける。ここに南後さんのテニスの真
髄があります」


お祝いのスピーチが一段落した所で、関西テニス協会の理事長の要職に就かれ現役の
指導に力を注いでおられる市山さん(昭35)から現役の現況と強化策の一環として酒井コ
ーチを招聘された旨の報告があり、続いて酒井コーチから「コーチ就任にあたり、まずは
テニスの楽しさを知り、仲間との絆を深め、そしてテニスのレベルアップは勿論テニスを通
じて人間的に成長出来るよう、自分の経験を学生に伝えたい。その上でテニス部の伝統
を守りつつ、OBの熱い気持ちを背に、学生とともに新たなページを開いていきたい」と心
強いメッセージがあった。

南後さん優勝ということもあって、各テーブルとも盛り上がり、話が弾み賑やかである。「こ
れからさらにテニスに精進しよう」 「100周年記念事業を何とか成功させよう」 「KUTCの伝
統を何としてでも後輩に継承しなくては」---それぞれが熱い思いを語り合っていた。

あっという間に2時間半が過ぎ、最後に菅井さん(昭30)の音頭で「商神」の熱唱、そして記
念撮影、一本締めでお開きとなった。今日の熱き思いを100周年に繋げ、是非とも記念事
業を成功させたいというのが、参加者全員の気持ちではないだろうか。


最後に今回初参加で、これから女子部の牽引役が期待される神野さんから「初めて出席
したにも拘らず、仲間として受け入れていただき、あらためてKUTCの一員で良かったと感
じました。女子部の後輩達に庭球倶楽部の良さを知ってもらい、その輪を広げていけたら
いいなと思います」、

次代を担う大辻さん(昭45)からは「学生時代の無名選手が努力次第で優勝できる。その
方が目の前におられるなんて信じられないことです。また若い年代の人達が出られるとい
いですね。何か力をもらって帰れます」とそれぞれメッセージが寄せられた。


(04-02-06 佐々木記)