感動の式典・・・参列記
平成17年3月22日
山田 昭(昭和41年)
♪起てや起て われらが選ばれし戦士 母校の高き誉れにかけて ただ目指す勝利の栄冠・・・神戸大学応援歌 の元気溢れて高らかな若人の歌声が、わがテニスコートに発し、日は差しながら小雪舞う早春の六甲の山々に 染み入る時、若かりしあの日々に立ち戻ったかのような感慨が、自ずと襲ってきました。 新装なった二面のオムニコートに、硬式庭球部男女総勢はもとより、野上智行学長殿、大学当局殿のご参列を得、 チアガールを先頭の吹奏楽団を含む体育会応援団の諸君がそれに花を添え、かたや、渡邊会長、善野、多久、 市山各副会長をはじめとするKUTC会員の面々、それに本工事関係者代表が、みんな、肌を刺す寒風も手伝い 引き締まった面持ちで列席するところ、創部百周年記念事業として完成した二面の「コート開き」が、平成十七 年三月十三日の佳き日午前11時丁度、菅井常任理事の司会により、開式しました。

前日とはうって変わった清閑蒼穹の下、塗り改められて緑色初々しいフェンスには、これもこの機会に新調された 神戸大学硬式庭球部部旗が掲げられ、中央コートサイドには赤い絨毯が敷かれ、紅白のカットテープが張られてい ます。先ず挨拶に立った我が渡邊会長は「OBの皆さんの熱い志によって念願のコートが立派にできあがりました。 これを庭球部の皆さんに差し上げます。霜柱が立つこともなく、雨の後もすぐに練習できるコートです。どうか思 う存分に練習して技量と人格を磨き、戦績を上げ、後には立派な社会人になって欲しい」と淡々として述べられ、 これに応えて野上学長がマイクの前に立たれました。 大変嬉しそうに満面笑みを湛えて、KUTCに対し鄭重な謝意を表明され、加うるに教師として「ここを通るにつ け、雨後、雑巾がけから練習を始める学生諸君を見る度に、実は心が痛んでいたが、お陰でこの度、私はそれから 解放された」と、述べられたのが印象的でした。ついで、昨秋男女共に昇部を果たして意気上がる現役部員を代表 して、杉・秋田両主将が並び立ち、礼を述べ、かつ「大切に使い、練習に励みます」と誓いをたてました。 次に、式典のクライマックス、テープカット、そして、冷たい六甲颪に惜しげもなく脚線美を曝しつつ赤きコス チュームのチアガールを含む応援団の盛大なエールが行われ、空気は弥が上にも盛り上がり、心地よい感動の尾を 引いて、始球式へと移りました。

OBから現役諸君へ贈り物を手渡すに準えて、善野、市山両先輩から繰り出され たサーブを両主将がレシーブするの演出が、爽やかな気分を醸し出し、めでたく式典はお開きとなりました。

予定通りこれより後、記念のエキシビション試合が行われ、全日本ベテランテニス35歳の部で昨年見事に優勝を果 たし、本庭球部監督に就任した福永俊介君と、1回生の西山翔君が対戦しました。半袖半パンの西山君がOB監督 に襲いかかる、実にスピード感溢れ見応えのある好試合が、終始、観戦の目を釘づけにしました。わが庭球部の明 日に大きな夢を抱かせるに十分なハードタッチに、同窓同士の心が滲む、絶好のテニスたると思われました。

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